「東京で野鳥観察って、どこでできるの?」
「カワセミの写真を撮ってみたいけど、初心者でも大丈夫?」
「野鳥観察に興味はあるけど、何から始めればいいかわからない…」
そんな疑問をお持ちのあなたに、ぜひ訪れていただきたい場所があります。それが、都内屈指の野鳥観察スポット「水元公園」です。
約96ヘクタールの広大な敷地、都内最大級の水辺環境、そして年間100種類以上が記録される豊かな野鳥相。水元公園は、初心者でも気軽に、そしてベテランも納得の野鳥観察が楽しめる、まさに理想的な場所なのです。
この記事では、「いつ行けば、どんな鳥に会えるのか」「どこで観察すれば失敗しないのか」「必要な持ち物やマナーは?」といった、野鳥観察デビューに必要な情報を完全網羅。明日の休日、双眼鏡片手に水元公園を訪れたくなる、そんな実践的なガイドをお届けします。
はじめに:野鳥の楽園「水元公園」の魅力

東京都葛飾区に位置する水元公園は、都内で野鳥観察を楽しみたい方にとって、まさに「都会のオアシス」と呼ぶにふさわしい場所です。
都内最大級の水辺空間が生み出す多様な生態系
水元公園の最大の特徴は、約96ヘクタールという広大な敷地の中心に、小合溜(こあいため)と呼ばれる水郷地帯が広がっていることです。この水辺環境が、都心部では見ることのできない多様な野鳥たちを惹きつけています。
水元公園には、水鳥が集まる開放的な水面、小鳥が身を隠す樹林帯、湿地を好む鳥が訪れる葦原など、様々な環境が揃っています。この多様性こそが、年間を通じて100種類以上の野鳥が観察できる理由なのです。特に冬季には、シベリアなどから渡ってきた冬鳥たちが水面を埋め尽くし、まるでバードウォッチングの聖地のような光景が広がります。
初心者からプロまで愛される理由(アクセスの良さと鳥との距離感)
水元公園が多くのバードウォッチャーに愛される理由は、その「手軽さ」にあります。都心から電車とバスで1時間程度というアクセスの良さでありながら、驚くほど野鳥との距離が近いのです。
特に初心者の方にとって嬉しいのは、遊歩道が整備されているため、特別な装備がなくても気軽に観察できることです。カワセミやサギ類などは、日常的に比較的近い距離で見ることができます。一方で、望遠レンズを構えたベテランカメラマンにとっても、珍しい野鳥との出会いや美しい撮影ポイントが豊富に用意されています。
また、「かわせみの里」などの観察拠点が整備されており、野鳥に関する情報交換も活発です。地元の常連さんから「今日はあそこでカワセミが見られたよ」といった貴重な情報をいただけることも、この公園ならではの魅力といえるでしょう。
【季節別】水元公園で見られる主な野鳥

水元公園での野鳥観察は、季節によって全く異なる表情を見せてくれます。ここでは、いつ訪れればどんな鳥に出会えるのか、季節ごとに詳しくご紹介します。
冬(ベストシーズン):水鳥たちの賑わいの季節
11月から3月にかけての冬季は、水元公園での野鳥観察のベストシーズンです。この時期、小合溜の水面には数百羽もの冬鳥たちが集まり、圧巻の光景が広がります。
代表的な冬鳥:
- マガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、ハシビロガモ、コガモ:これらのカモ類が水面を埋め尽くす様子は壮観です。オスの鮮やかな繁殖羽は撮影にも最適。
- ツグミ:地面を跳ねながら餌を探す姿が愛らしい冬の使者。公園内の芝生エリアでよく見られます。
- ユリカモメ:白い体と赤い嘴が特徴的な美しい冬鳥。水面を優雅に飛翔する姿は絵になります。
冬の早朝、朝日に照らされながら水面に浮かぶカモの群れは、まさに水元公園ならではの絶景です。
通年:いつ訪れても出会える常連たち
水元公園には、一年を通して観察できる野鳥も数多く生息しています。

水辺の鳥たち:
- カワセミ:水元公園の代名詞とも言える宝石のような青い鳥。「かわせみの里」周辺では高確率で遭遇できます。
- ダイサギ、コサギ、アオサギ、ゴイサギ:サギ類は水元公園の日常風景。水辺で魚を狙う姿は迫力満点です。
- カワウ、バン、カルガモ:水面や水辺で一年中観察できる身近な水鳥たち。
樹林帯・草地の鳥たち:
- オナガ:青と黒のコントラストが美しい、関東地方に多い鳥。群れで行動する姿がよく見られます。
- ムクドリ、ヒヨドリ:公園内で最もよく見かける身近な野鳥。
- ハクセキレイ、モズ:遊歩道沿いや開けた場所で観察できます。
- キジバト、シラコバト:シラコバトは埼玉県の県鳥で、水元公園は都内での貴重な観察地です。
- カワラヒワ、コジュケイ:草地や藪の中で見られる小型の鳥たち。
通年観察できる鳥たちは、初心者の方が野鳥観察の基本を学ぶのにも最適です。まずはこれらの鳥の特徴を覚えることから始めてみましょう。
ここは外せない!おすすめの観察・撮影スポット

水元公園は広大なため、効率よく野鳥観察を楽しむにはポイントを押さえることが重要です。ここでは、絶対に外せない5つのスポットをご紹介します。
1. 小合溜(こあいため):水鳥のメインステージ

水元公園の中心を占める小合溜は、水鳥観察の最重要ポイントです。東西に細長く広がるこの水域は、江戸時代に農業用水として整備されたもので、現在は野鳥たちの楽園となっています。
おすすめポイント:
- 冬季は数百羽のカモ類が集結し、種類の見分け方を学ぶのに最適
- 水辺の遊歩道から観察しやすく、比較的近距離で撮影可能
- 早朝は朝日に照らされた水鳥の美しいシルエットが撮影できる
- サギ類やカワウなどが魚を捕る瞬間に出会えることも
撮影のコツ: 水面の反射を利用した構図や、飛び立つ瞬間を狙うには、午前中の順光時がおすすめです。
2. かわせみの里:カワセミの出現率が非常に高い拠点

「かわせみの里」は、その名の通りカワセミとの出会いを求めるなら必須のスポットです。池と緑に囲まれたこのエリアは、水元公園を訪れるバードウォッチャーの情報交換の場としても機能しています。
おすすめポイント:
- カワセミが餌を狙う止まり木が複数あり、観察・撮影チャンスが多い
- 常連の方から「今日はどこで見られた」などの情報が得られる
- 小規模な池のため、カワセミとの距離が近い
- 運が良ければカワセミのダイビングシーンが目の前で見られる
撮影のコツ: カワセミは警戒心が強いため、じっと待つ忍耐力が必要です。午前中の柔らかい光の中で、青い羽の美しさが際立ちます。
3. 野鳥観察舎:隠れながらじっくり観察できるポイント

野鳥観察舎は、野鳥に気づかれずにじっくり観察したい方に最適な施設です。建物の中から窓越しに野鳥を観察できるため、鳥たちの自然な行動を邪魔することなく楽しめます。
おすすめポイント:
- 悪天候時でも快適に観察できる
- 初心者や小さなお子様連れでも安心して利用できる
- 水辺に近いため、サギ類やカモ類の観察に最適
- 双眼鏡があれば、遠くの鳥もじっくり観察可能
観察のコツ: 朝早い時間帯や夕方は野鳥の活動が活発になるため、より多くの種類に出会えます。
4. メタセコイアの森周辺:小鳥類や猛禽類の生息地

水元公園のシンボルとも言える約1,800本のメタセコイア並木。その周辺の樹林帯は、小鳥類や猛禽類の観察に適したエリアです。
おすすめポイント:
- シジュウカラ、コゲラなどの小鳥が樹林内を飛び回る
- 春から夏にかけて、ツミ(小型の猛禽類)の営巣が見られることも
- 秋のメタセコイアの紅葉と野鳥のコラボレーションが美しい
- 木の高い位置を観察するため、首を上げて探すスタイルの観察が楽しめる
観察のコツ: 小鳥の鳴き声を頼りに探すと見つけやすくなります。猛禽類は上空を旋回することが多いので、空も意識して観察しましょう。
5. グリーンプラザ周辺:四季折々の花と野鳥のコラボレーション
グリーンプラザ周辺は、花と野鳥を同時に楽しめる、写真映えするスポットです。季節ごとに咲く花々と野鳥の組み合わせは、作品作りにも最適です。
おすすめポイント:
- 春の桜とメジロ、ヒヨドリの組み合わせ
- 夏の緑の中でのカワセミやサギ類
- 秋の紅葉とツグミなどの冬鳥
- 花の蜜を求めて訪れるメジロやヒヨドリの観察
撮影のコツ: 花と野鳥を同時にフレームに収めるには、少し引いた構図で撮影すると季節感のある作品に仕上がります。
観察に行く前にチェック!基本情報とアクセス
せっかくの野鳥観察を満喫するために、事前に確認しておきたい基本情報をまとめました。
開園時間と入園料(無料の魅力)
水元公園の大きな魅力の一つが、入園料が無料であることです。都立公園として整備されているため、誰でも気軽に訪れることができます。
- 開園時間:常時開放(24時間)
- 入園料:無料
- 休園日:なし
ただし、「かわせみの里」などの施設には開館時間があります(概ね9:00〜17:00、施設により異なる)。野鳥観察自体は早朝が最も活発な時間帯ですので、夜明けとともに訪れるのがおすすめです。
駐車場情報(土日の混雑状況)
水元公園には複数の駐車場が用意されています。
- 第一駐車場(214台)
- 第二駐車場(24台)
- 駐車料金:1時間300円、以降20分ごと100円
混雑状況について:
- 土日祝日、特に春の桜シーズンや紅葉シーズンは午前中に満車になることが多い
- 野鳥観察目的なら、早朝(7時前)の到着がおすすめ(駐車場も空いており、野鳥も活発)
- 冬季の平日は比較的空いている
駐車場について詳しくは以下の記事をご覧ください。
公共交通機関(金町駅からのバス路線)
車を利用しない方には、公共交通機関でのアクセスがおすすめです。詳しくは以下の記事をご覧ください。
野鳥観察・撮影のマナー
野鳥観察を楽しむ上で、最も大切なのがマナーです。自然環境と野鳥を守り、他の利用者とも気持ちよく過ごすために、以下のルールを必ず守りましょう。
餌付けの禁止
野鳥への餌付けは絶対にやめましょう。水元公園では餌付けが禁止されています。
餌付けがNGな理由:
- 野鳥が人間の食べ物に依存し、自然の中で餌を探す能力が低下する
- 栄養バランスが崩れ、野鳥の健康を害する
- 特定の場所に野鳥が集中し、生態系のバランスが崩れる
- 餌の残りがカラスやネズミを呼び寄せ、衛生問題を引き起こす
- 本来その場所にいない鳥を呼び寄せ、生態系を乱す
「写真を撮りたいから」「可愛いから」という理由での餌付けは、結果的に野鳥を苦しめることになります。自然な姿を観察することこそが、本当の野鳥観察の醍醐味です。
三脚の使用ルールと歩行者への配慮
望遠レンズでの撮影に三脚を使用する方も多いですが、公共の場所である以上、配慮が必要です。
三脚使用時のマナー:
- 遊歩道を塞がないように設置する(他の歩行者が通れるスペースを確保)
- 長時間同じ場所を占拠しない(30分程度を目安に)
- 混雑時は三脚の使用を控える、または一脚に切り替える
- 三脚の脚を広げすぎない(つまずきの原因になる)
- 撮影に夢中になりすぎず、周囲の状況に気を配る
特に土日の人気スポットでは、譲り合いの精神が大切です。「良い写真が撮れる場所」は、誰にとっても良い場所。独占せず、他の方にも機会を譲りましょう。
環境保護(植物を傷つけない)
野鳥を観察・撮影するために、周囲の環境を傷つけてはいけません。
守るべきルール:
- 撮影のために植物を折ったり、移動させたりしない
- 決められた道から外れて、踏み込まない(草地や湿地は特に注意)
- 野鳥の巣に近づきすぎない(繁殖を妨げる可能性がある)
- ゴミは必ず持ち帰る
- 音や光で野鳥を脅かさない(フラッシュ撮影の禁止、大声での会話を避ける)
特に繁殖期(春〜夏)の注意点: この時期は野鳥が最も神経質になっています。巣や雛を見つけても、決して近づいたり触れたりせず、そっと見守りましょう。親鳥が警戒して巣を放棄してしまうこともあります。
まとめ:マナーを守って野鳥観察をしましょう
水元公園での野鳥観察は、都会にいながら豊かな自然と触れ合える貴重な体験です。四季折々に訪れる野鳥たちとの出会いは、きっと心に残る思い出となるでしょう。
マナーを守りながら、水元公園の野鳥たちとの素敵な時間をお過ごしください。双眼鏡とカメラを手に、あなたも野鳥観察の世界に足を踏み入れてみませんか?





